筋肉太り

〈筋肉太りの″安産型″の体型です。スマートになって、別れた彼に会いたい〉とぃぅ2.歳の学生。〈昨夏、大失恋。痩せて美しくなり、その彼を見返してやりたい。そんな野心で応募しました〉という・9歳。ライバル会社、『TBC』のコマーシャルではないけれど、エステに行くきっかけが失恋だという人は多い。キレイになるのは勝手だが、どうして昔の彼に会いに行かなきゃいけないんだろう。「みんな、未来に向かって生きてくれよ」そう思いつつページをめくれば、出ました― 酵素で痩せる志望者である。96〈憧れの酵素で痩せるになるために、痩せたい。私に″自信″をもたせてください〉20歳の短大生である。〈浅野ゆう子のBODYをもち、高橋真梨子の実力を備えたシンガーを目ざす〉27歳主婦もいた。そうかと思えば、〈ゆかた姿で某ミスコンに優勝。でも、太った体が恥ずかしくて下ばかり向いていました〉〈レースクイーンに輝いたのは過去の栄光。下半身をシェイプして、もう一度理想ボディを〉〈昔は酵素ドリンクをめざし、オーディションを受けまくり。今度はスリムになリ絶食ダイエットに〉なんていう、やっぱり……の目立ちたがり屋さんが出ていたりするのである。きわめつけは、〈自己啓発のひとつとして、自分がどれだけ美しくなれるかにチャレンジ〉……みんな、幸せになってくれい。そして、そんな彼女たちの応援に、各支店のエステティシャンの女性たちが客席を埋める。なぜか先生同様、全員ピンクのスーツ姿で、「○○ちゃん、がんばって?」と声援する姿は、『全日本国民的美少女コンテスト』に娘を出場させるステージママ予備群よりもパワフル。支店の名誉もかかっているのだろう。彼女たちも必死なのだ。次の予定もあったので、50人全員(2名は欠席だった。思うように痩せられなかったのかも……)のプロフィールが紹介されたところで会場をあとにした。ボーッとしていた。岡田真澄さんの「ハイ、ポーズ」の声に、キャイーンがやるような、お尻をクッと突き出してニッと微笑む彼女たちの姿が目に焼きついて、その日一日、離れなかった。いったい、何番の人が絶食ダイエットに選ばれたのだろうか。受賞後のインタビューで岡田真澄さんから、「夢は?」と聞かれて、「女優になることです」などと戯言をぬかさなかっただろうか。″CM契約を含む躙万円と世界一周旅行″を手にして舞い上がり、「なんでもやります」なんていってしまわなかっただろうか。前回の絶食ダイエット、小谷野由香里さん(この人も酵素で痩せる志望だったっけ)が、そうであったように、今回の絶食ダイエットも人魚姫のかぶりものをさせられたり、金色のレオタードを着せられたり、お尻フリフリしながらジェンカを踊らされたりするのだろう。美しくなるためのハングリー精神をもった人は、本当になんでもやる……。これが「エステテイック絶食ダイエットコンテスト」を見た私の感想だった。しかし、もしも98モデル体型ぐらいに痩せられたら、私も『SPAI』の″ニュースな女たち″に出たくなっちゃったりするかもしれない。自分のことなら、ちょっと見守っていたい気分だ。


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